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利子・利息・金利・実質年率の本当に意味知っていますか?
お金を借りるときに必ず「利子」「利息」「金利」「実質年率」などと言う言葉が出てきます。
どれも同じように感じますが、正確には1つ1つ意味や使い方が違うんです。
ほとんどの方は、正確な意味や使い方までは正しく理解していないかもしれません。
でも、お金を借りれば「利子・利息」をつけて返さないといけないということ、それらは金利によって変わってくるということは、なんとなくわかっているでしょう。
それだけわかっていれば問題はありませんが、もう少し詳しく正しく理解しておくことで、少しお得にお金を借りることができたり、返済計画も上手に立てたりできるようになります。
ここでは利息や金利に関する言葉を解説していきますね。
利子・利息について
利子と利息は、ほぼ同じ意味で使われています。
正確には違いがありますが、知らなくても問題はありません。(※念のため、最後で違いについてまとめます。)
知っておいてほしいのは、借りたお金には「利子・利息」をつけて返さないといけないということと、借りている間中、「利子・利息」はかかるものだということです。
なぜかといえば、100万円借りて100万しか返さないのであれば、貸す側にとって何の利益もありませんよね。
利子は、お金を借してもらったことに対する報酬だからなんです。
利子がかかるのは納得していたとして、それがいくらくらいかかるのか、少しでも安くすませる方法はないかというのが、利用者として気になるところでしょう。
これが自分で計算できれば、利息の安い貸銀業者で借りることができますよね。
利子・利息の計算方法
元金×金利=1年間に払う利息の額
ほとんどの貸金業者は、毎月1回(30日か31日)の返済としているので、月いくら利息を払うか計算する必要があります。
元金×金利÷365日×借入れ日数=一月あたりに払う利息額
例をあげてみましょう。
100万円を金利18%で借りた場合
100万円×18%=18万円
これが、一年でかかる金利です。
そして、1ヵ月分の利息は
18万円÷365日×30日=14794.5円
となります。
誤解してはいけないのが、毎月ずっと14794円かかるわけではないということです。
一回でも返済をすれば、翌月は元金が変わりますよね。
月5万円返済した場合、翌月の元金は95万円になっています。
95万円×18%=171000円
171000円÷365日×30日=14054.7円
となります。
金利も、元金によって変更しますので、その都度計算式に入れる数字は変わってくるんです。
返済をはじめた当初は、元金と利息にあまり違いがなく愕然とする人もいます。
支払いのほとんどが利息に充てられているように感じてしまうかもしれませんが、利息は上記のような計算にしたがって出されています。
元金が減っていくにつれて利息も減っていきますのでご安心ください。
金利とは?
利息を出すには、金利を知っておく必要があります。
金利とは、利息がいくらになるか計算するための割合で、多くの金融会社では%で表示をしています。
金融会社のホームページなどで、金利:6%~15%というような記載を見たことがあるでしょう。
ここに表示されている金利は、1年間お金を借りたときに発生する利息(年率)です。
元金×金利=1年間に払う利息の額
金利=一年間に払う利息の額÷元金
つまり、借りたお金に対して、どれだけの割合で利息を払えばいいかということを示しているのが金利なのです。
18%であれば、借りたお金の18%を利息として払ってくださいねという意味です。
ですから、金利が低いほど払う利息は少なくて済むわけですが、利用者としては、この金利はどう決められているかが気になるところでしょう。
金利はどうやって決められてる?
金利は、各金融会社によって違います。
ですから、ホームページなどを参考に、少しでも金利の安いところを自分で探したほうがよいですね。
いくつかピックアップして金利を載せておきます。
アコム | 3.0~18.0% |
プロミス | 4.5~17.8% |
レイク(新生銀行) | 4.5~18.0% |
バンクイック | 1.8~14.6% |
静岡銀行 | 4.0~14.5% |
レディースフタバ | 14.959%~17.950% |
アコムプロミスは大手消費者金融。
バンクイック静岡銀行、レイクは銀行カードローン。(レイクは、以前は消費者金融でした。)
レディースフタバは、中小の消費者金融です。
こうして比較してみると、金利に違いがあることがわかりますね。
銀行カードローンは、消費者金融と比べて金利は低いですが、審査が厳しいですし、融資まで時間がかかる…また、サービスが消費者金融の方が幅広いという理由で、消費者金融を選ぶ人も多いです。
金利の上限
金利は、各会社によって違うものの、自由にきめることができます。
ただし出資法では、金利の上限が決まっているので、その範囲内で決めることになります。
2010年より、出資法の上限金利は、20%に引き下げられました。
貸付額 | 金利 |
10万円 | 20% |
10~100万円 | 18% |
それ以上 | 15% |
これを超える場合は、行政処分や刑事罰の対象となります。
よく金融系のドラマなどで、悪徳金融会社が出てきて「といち」とか「とさん」というセリフを聞いたことがあるかと思いますが、これは10日で1割や3割の利息をもらうということです。
明らかに違法であることが、わかりますね。
誰もが知っているような大手の貸金業者では、法律に違反する金利を設定することはありませんが、中には法外の金利を設定している業者もまだ存在しますので、必ず確認するようにしましょう。
自分にあてはまる金利は?
各金融会社の金利は、○%~○%というように幅があります。
融資が決まれば、この間の金利が適用されるわけですが、申込時には何%になるか正確にはわかりません。
ただ、はじめはほとんど上限の金利が適用されることが多いです。
金利が低い金融会社を探すときには、低い方ではなく高い方の数字に注目して比較するようにしてください。
上記例でいえば、アコムは18.0%ですし、バンクイックは14.6%です。
実質年率とは?
金利を調べているときに、「実質年率○○%」という表記を見かけた方もいるかもしません。
実質年率も、%で表示されるので、金利と同じと考えがちなのですが、正確には少し違うんです。
実質年率とは、利息だけではなく、手数料や保証料などその他にかかるお金を年率換算したものになります。
お金を借りるときには、元本+利息だけではなく、手数料や保証料などのその他諸費用がかかってきます。実質年率は、そのすべてを含んでいるということです。
実質年率で書かれているところは、
元金×実質年率÷365日×借入れ日数=一月あたりに払う利息額
で、返済金額がわかります。
金利とだけ書かれている場合には、それ以外にも貸金業者に払う費用があると理解しておきましょう。
利息を減らすには??
さて、ここまで読んでみたところで、どうすれば毎月払う利息を減らすことができるか考えてみましょう。
賢明な方はすでにお気づきかもしれませんね。
元金×金利÷365日×借入れ日数=一月あたりに払う利息額
ここに当てはめられる数字、つまり元金、金利、借り入れ日数を減らしていけばいいのです。
元金を減らす
利息は、元金に対しての割合なのでこれを減らせば確実に減ります。
元金を減らすには、一括返済や繰り上げ返済といったことが考えられますね。
繰り上げ返済とは、毎月の返済額より多めに返せる月に多く返済することです。
毎月5万円返済しているけれど、ボーナス時は15万円返済できるということであれば、その分は元金に充てられます。
金利の低い貸金業者を選ぶ
金利については、上記で説明した通りです。
各会社が設定している上限金利を比べて、金利が低い所を選ぶといいでしょう。
消費者金融より、銀行カードローンのほうが金利は低いですし、中小消費者金融より大手消費者金融の方が、金利は低いのが一般的です。
ただし、金利が低いところは審査が厳しいですし、高いところは比較的審査が甘いというのが、実際のところです。
お金を借りるのがはじめてで、年収や勤務形態に問題がなければ、金利の安い銀行カードローンをおすすめします。
ちょっと条件が悪いかな…という方の場合は、金利だけに注視せず、サービスや商品、融資スピードなど総合的に考えたほうがよいですね。
また、キャンペーンやサービスの一環で、「無利息キャンペーン」をやっている会社をチェックしておくことも大切です。
無利息キャンペーンを実施している貸金業者では、14日間~30日間無利息と設定しているところが多いです。
もし、一括返済をする予定の方は、これを利用しない手はありませんね。
借入れ日数を減らす
借入れ日数を減らすには、繰り上げ返済をしたり、毎月の返済額を高めに設定することで返済期間を減らすことが考えられます。
借金は、長く借りれば借りるほど返すお金が増えるということは、ここまで読んでくださった方にはご理解いただけたかと思います。
少し余裕があるとき、臨時収入が入ったときは、なるべく返済に充てるようにしましょう。
私が銀行員だったときに担当していたお客様で、一括返済をするためにギャンブルをして一攫千金を狙っている!と豪語していた人がいましたが、論外です!
娯楽にあてるお金を我慢して、少しのお金でも、返済に回していけば後が必ず楽になっていきますよ。
利息と利子の違い
では、最後に利息と利子の言葉の違いについて解説していきます。
2つとも、ほぼ同じ意味合いで使われることが多いですし、それで問題はありませんが
正しく言えば
利子とは、借りたお金に対して払う報酬です。
一方、利息とは、貸したお金に対してもらう報酬です。
使い方の例としては…
・もう利子すら払えなくなってしまった…
・貸金業者は利息を受け取った。
という使い分けになります。
また、銀行と郵便局によっても使い方が違います。
銀行預金でもらえるものは、利息。郵便局の場合は利子といいます。
・銀行に全財産を預けて、利息生活をしている。
・郵便局で利子を受け取った。
という使い分けになります。
関連する仕事に就いている人以外は、あまり気にせず使っていますね。
もしもの時は、利子だけでも…
融資の後は、毎月の返済をコツコツとしていくわけですが、残念ながら、繰り上げ返済で元本を減らすどころか、毎月の返済額ができなくなってしまうことがあります。
そうなると、電話や葉書きなどで督促されることになりますが、ないものはないわけですから払えませんよね。。
そうなったらどうしよう?夜逃げしかないのか…と絶望的になるのはまだ早いです。
返済できない状況になっても、すぐに裁判や債務整理になるわけではありません。
もちろん夜逃げする必要もありませんので、まずは、貸金業者に相談をしてみてください。
「利息だけでも払う」ということを、まず提案されるはずです。
利息の計算方式は、上記の通りです。
100万円を実質年率18%で借りた場合
100万円×実質年率18%÷365日×30日=14794.5円(利息)
これは、利息だけの料金です。
ここに+元本を加えた額を、月々返済していくわけですね。
元本が5万円だとしたら、この月の返済額は、54794円です。
これが厳しくなり滞納がはじまると、利息分だけの14794円を毎月支払うことを提案されるでしょう。
元本を払えば、利息も減っていきますが、利息だけ払っていく状態では元本は1円も減らないことを覚えておいてください。
利息分だけでも払うことができていれば、まだ大丈夫です。
しかし、利息分すら無理…となると、他のことを考え始めないといけません。
返済計画を立てるときには、毎月の返済額だけではなくまず利息がいくらになるのか計算してみてください。
毎月いくら返すのかばかり気になって、利息がいくらなのか把握していない人が、とても多いですが、それが返済計画の破たんの始めの一歩なんですよ。
利息が月いくらくらいになり、いざとなったときに払っていける料金なのかも考えてみることをおすすめします。
まとめ
利子や金利について理解をしておけば、実際にお金を借りるときにどのくらいの利息を払っているのか知ることができます。
今は、ほとんどの貸金業者のホームページで、シュミレーションをすることができますので、毎月いくら返済していくことになるのか目安が簡単にわかるでしょう。
その際に、その会社の金利(高い方の数字)で、利子も計算するようにしましょう。
「借りたお金に対して、利子がこれだけかかっていくんだ。」
ということを、目で見て理解しないといけません。
これを知っているのと知っていないのでは、返済期間が違うものなんです。
利子がどれだけかかっているか知っている人は、少しでも金利の低い会社を選ぶことを優先しますし、借りた後もなるべく早く返済したいという気持ちになるので、繰り上げ返済をする率が高いです。
知らない人は、お金の価値に気が付かないままなんです。
利子や金利の言葉の意味や計算方法を知るとともに、返済計画も見直すことができるので、ぜひやってみてくださいね。
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