目次
銀行系カードローンの問題点
キャッシングに詳しい方にとっては周知の通りですが、消費者金融・銀行系カードローンの決定的な違いは「総量規制審査の有無」です。
消費者金融の場合、収入証明書・信用情報機関登録の借入額を照らし合わせ、年収の1/3以上の貸付は行いません。
これは、「貸金業法」という法律におけるルールです。
ところが銀行系カードローンの場合は、事業主への大枠貸付を前提とした「銀行法」に基づいて個人向けのサービスを展開しています。
本来は100万円単位〜1000万にも及ぶ大金を貸し付けるための法律を、個人向けカードローンに適用しているとも言い換えられます。
これが抜け道になっており、借りすぎ防止目的だった「総量規制」の対象ともならず、借りすぎてしまう人が多数います。
銀行系カードローンの利用者の過半数は「借りすぎ」
2017年11月の日弁連の発表によると、銀行系カードローンで残債のある人の半数以上が、年収の1/3以上の総債務額を持っているとのことです。
債務整理に詳しい弁護士の指摘によると、問題はこればかりではありません。
保証会社の存在
銀行系カードローンという抜け道を知った消費者が”サラ金”から移行を始めた時、すでに銀行資本を注入されている消費者金融が「保証会社」を兼ねるようにもなりました。
保証会社とは、銀行から委託金を受けて、カードローン利用者の保証人を代行してくれる会社です。
保証人としての義務を実行し、消費者金融が借金を立て替えたとき、借主にとって非常に不利な状況が起きます。
預金口座が凍結され、取り立てが消費者金融から来ること・もともと”取り立て”のノウハウを持っている消費者金融が、迅速に裁判所で差押えの権利を得てしまうことです。
このように、銀行と消費者金融が連携を強めることで、債務過剰となった人をより素早く追い込んでしまう仕組みが出来上がっていると分かります。
銀行系カードローンへの自粛要請
こういった現状を踏まえて、2017年後半から、銀行への貸しすぎ自粛を求める動きが出ています。
2018年上半期からほぼ全ての都市銀・地銀が自主的に総量規制をし始めるとの情報が出ています。
同時に、即日融資の停止も発表されています。
これまで「残債が多く審査が不安」という人の助け舟的存在であった銀行系カードローンは、利用しづらい存在になることは間違いありません。
新生銀行レイクの特殊性
いわゆる銀行系カードローンの中でも、「レイク」ブランドを吸収した新生銀行は、特殊な存在でした。
1〜100万円の少額融資がメイン・スマホ完結や審査迅速化といった消費者金融の特徴を持ちながら、その実態は銀行系カードローンの一種だったのです。
しかし、銀行系カードローンとしては収益が低迷しているなどといった理由から、2018年4月に再編が決まりました。
“レイク”は消滅/消費者金融と口座保有者向けローンへ
大手サラ金から歴史がはじまり、新生銀行のカードローンとして反映した“レイク“が、2018年4月に消滅することになりました。
その時に残債のあるかたは、返済先が新生銀行へと移るのですが、契約内容変更があるか・その他条件などについては未発表です。
これから新生銀行関連会社で借りることになる人は、完全子会社が経営する「ノーローン」または新生銀行口座保有者向けの「スマートカードローンプラス」を利用することになります。
「ノーローン」と「スマートカードローンプラス」の違い
ノーローンは消費者金融、スマートカードローンプラスは銀行系カードローンとして機能します。
大きな違いは、金利・無利息期間だと言えます。
ノーローンについては最高金利18%、スマートカードローンは14.8%となります。
ノーローン最大のメリットは”キャッシングから7日以内に返済すれば無利息”ですが、スマートカードプラスではそのような優遇はありません。
新生銀行スマートカードプラスの取り組み
すでに「スコアリングシステム」という申込者の信用度を数値化するシステムを各社導入していますが、2018年4月からの取り組みでは、スマートカードプラスを皮切りに審査AIを導入するとのこと。
信用情報機関への照会・収入や肩書きから機械的に信用度を導き出すのではなく、預金口座の利用状況・申込者の家族構成なども判断材料とし、最もバランスのいい限度額を自動計算するというものです。
これによって、どの金融機関よりも審査スピードが早く・かつ厳しくなるのではないかと言われています。
時代は再び消費者金融へ
これまで述べてきたことを考慮すると、バランスよく気軽に借りられるのは「消費者金融系」となるでしょう。
実際に、2017年後半からは、消費者金融の利用者が増えている傾向にあるそうです。
グレーなイメージの”サラ金”ですが、これから初めて借りる人にはおすすめできます。
この記事へのコメントはありません。