彼のウソ
当時、私には彼氏がいました。というよりも、その彼が今の旦那なのですが…
とにかく、その時は付き合って日が浅く、彼の仕事について、あまり深くは知らなかったのです。
もちろん、彼からは聞いてはいました。その時の答えは
というものでしたが、これは後から嘘だと分かるのですが、分かった理由は簡単です。
彼の“仕事場”を自分の目で見たからなのです…。
これまでの経緯
その仕事場を見るまでの経緯をお話しすると…
付き合い始めて、程なく、私たちは同棲を始めます。
一緒に住む場所は私が住んでいた賃貸マンション。
2人で住むには少し手狭だったのですが、一緒に住んだ方が節約にもなるし、彼が言うには
彼は当時、郊外のアパートに住んでいたのですが、そこを引き払い、私と一緒に暮らすことになります。
暮らし出してからも、彼の仕事はイマイチ分かりませんでした。
もちろん、“運送会社の仕事”ということは聞いていたのですが、
そんな感じで、“小さな会社”を理由に詳しい内容を避けるように話すだけでした。
同じ理由で、仕事の時間帯もバラバラで、土日にいないこともしばしば。
でも、恋は盲目というか、とにかく彼の言葉を信じていました。
お金を貸してほしい…と言われて
そんなある日、彼から
お金を貸して欲しい、という理由も“小さな会社”だったのですが、私自身、小さな会社の事務系の仕事をしていました。
でも、社員がそんなことまで負担しなければいけないなんて、さすがに違和感を感じたのですが、10万円までならと、貯金を切り崩して貸してあげました。
この時、なんとなくイヤな予感を抱きました。
そんな想像をしながら、彼に対して悪い感情を抱いていたのですが、その想像は良い意味で裏切られます。
お金を貸してから1週間程でしょうか、あっさりと貸したお金が戻ってきました。
そんな感じで、“よくあるパターン”にならずに良かったのですが、よくあるパターンに当てはまらない出来事が再び訪れます。
彼の職場とは?
日曜日にも関わらず、彼が
と言って朝から出かけていったある日、私もせっかくの休日を少しは楽しもうとショッピングに行きました。
電車を乗り継ぎ、改札を出て目的地に向かっていると、自動ドアが開くたびに騒がしい音が漏れてくるお店に出くわしました。
言うまでもなく、そこはパチンコ店だったのですが、開いたドアから見た店内の光景に思わず声をあげる自分がいました。
そこには、熱心にパチンコ台に向かう彼の姿があったからです。
「なんで?仕事だって言って出かけていったのに?きっと仕事の合間の息抜きに…。でも、そんなことあり得るかな…」
そんないくつかの想像を振り払い、騒がしい店内に入っていくまでに、あまり時間はかかりませんでした。
彼の横に立つと、ビックリした表情で私を見つめています。
なぜかは分かりませんが、悪いことをして、それがお父さんにバレてしまった時のカツオくんの顔が頭をよぎりました。
問い詰めようとすると
「こんな時に何が…」
と言いかけて、彼のそばに置いてあった大量のパチンコ玉が目に入りました。
その時まで、パチンコの経験がなかった私でも、
「勝ってるんだな」
ということが伝わってきました。
彼はパチンコに集中しながらも、私にこれまでのことを話してくれました。
「10万円は、以前消費者金融で借りたお金の返済と、パチンコをやるために使った」
「まぁ、今はうまくやってるから安心して」
なんとなくため息が出そうになるのを我慢していると、
結局、その一言が、私の人生を大きく変えることになるなんてその時は思いもしませんでしたが…。
私が出した結論
それから数か月後、私は仕事を辞めました。
そして彼と同僚になりました。
そうです、私の新たな“仕事場”はパチンコ屋さん。
これこそ、ミイラ取りがミイラになるという分かりやすい例かもしれません…。
まだまだ先輩である、今では旦那となった彼の足元にも及びませんが、新たなパチプロ人生をスタートさせた私です。
この人生が果たしてどういう結末になるかを予想するのは…、釘を読む以上に難しいかもしれませんね。
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