目次
フリーローンとは
各地の銀行が提供している、目的を決めてキャッシングするタイプのローン商品です。
「多目的ローン」と紹介されることもあります。
フリーローンの利用目的として多いのは、以下のようなものです。
- プライダル資金
- 法事の開催費
- 引っ越しに伴う家具購入費
- 高額医療費
- 海外渡航費(多額の資金が必要となる場合)
銀行の公式Webサイトでは、フリーローンと並んで住宅/車/教育ローンを紹介されています。
これらの利用目的に当てはまらないものの、個人が簡単に捻出することができない・多額で一時的な費用の貸付に応じるというのが、フリーローンの趣旨です。
フリーローンとカードローンの違い
消費者金融・銀行系カードローンとの最も大きな違いは、金利です。
前述のような個人向けキャッシング商品を利用すると、年率15〜18%となるのが普通です。
一方フリーローンであれば、借入金額にかかわらず年率6%以下の低金利で借りることができます(地方銀行などの例外あり)。
そのほかにも、違いは様々あります。
総量規制の対象外である
フリーローンは住宅や自動車ローンと同様に、総量規制の対象外です。
これまでは銀行系カードローンも規制対象外でしたが、2018年からは年収の1/3までしか借りられないという制限を受けてしまいます。
今後まとまったお金が必要になる場合、フリーローンがおすすめできます。
借りるたびに審査が必要
通常のカードローンの場合、最初に契約した金額のなかで自由に利用できます。
たとえば利用限度額50万円の場合、10万円借りてすぐに完済する・その後40万円借りてまた完済する…といった使い方を、個人の判断でATMから自由に行えます。
フリーローンは原則として、キャッシングするたびに審査が必要です。
例として、結婚式の費用として50万円借りたいとします。
無事に審査に通ると、まとめて50万円手にすることが出来ます。
そのあと旅行費としてさらに40万円のキャッシングをしたい場合、再び銀行に目的と金額を告げて、新規申込時と同じ審査を受けることになります。
このとき、前回借りた50万円(結婚式の費用)が返済中か・完済しているかは問いません。
10万円未満の少額キャッシングは原則不可
消費者金融や銀行系カードローンなら、千円単位でお金を借りることが出来ます。
一方でフリーローンは「まとまったお金が必要であること」が前提です。
最低でも10万円以上から借りることになります。
利用目的の可否
目的を裏付ける書類さえあれば「何に使ってもよい」とされますが、フリーローンの申し込みを受け付けてもらえない・禁止されている利用目的もあります。
まとめると、以下の通りです。
- 事業資金※
- 投資資金
- 納税
- 裁判所で決められた賠償金(離婚の慰謝料も含む)
- 食費や光熱費などの継続的に発生する生活費
消費者金融や銀行系カードローンの禁止利用目的とほぼ同じですが、事業資金については少し柔軟です。
事業の条件は「継続的に収益が出る」ことですが、収益がきちんと出るかわからない・趣味の延長で収益を期待しているという場合は、あてはまりません。
フリーで始めるイラストや漫画制作、デザインなどが代表的です。
やりたい副業にパソコンや周辺機器・その他専用機材が必要になった場合は、まず気軽に銀行窓口で相談してみましょう。
都市銀行をお勧めする理由
フリーローン(多目的ローン)を利用するなら、都市銀行をおすすめします。
その理由を述べていきます。
金利が安い
前項で挙げたフリーローンの特徴である低金利は、都市銀行が中心となって実現しています。
一方で地方銀行や信用金庫の金利を見ると、12〜15%と設定されていることが大半です。
例えば三菱UFJ銀行の「多目的ローン」なら年率5.475%ですが、関係を深めている静岡銀行だと14.5%になります。
銀行系カードローンである「バンクイック」が年率最大14.6%なので、これとほぼ変わらないことがわかります。
フリーローン最大の特徴である低金利を活かすなら、都市銀行を選びましょう。
預金口座や他ローン利用に応じて優遇がある
預金口座をもっている場合、提携ATM全ての入出金手数料の優遇が受けられます。
また、住宅や車のローンをすでに組んでいる場合、その返済状況次第で審査条件の緩和・時間の短縮を受けることもできます。
特に預金口座に関する優遇は、地方銀行や信用金庫だとほとんど見られません。
都市銀行を利用するメリットは大きいと言えます。
審査
フリーローンの審査は、カードローンのそれとは異なります。
その内容として、利用目的に関する証明書が必要になること・申込者本人に一定額以上の安定した収入があること・融資率も審査対象となることが挙げられます。
安定した収入とは
専業主婦や学生、パートやアルバイト勤務のかたは申し込み不可です。
付記すると、消費者金融や銀行系カードローンだとそれほど重視されない「勤続年数」について、慎重に確認されます。
勤続2年以上・年収200万円以上が最低条件だと考えましょう。
無担保融資額とは
フリーローンでは、総量規制とは別の貸付金額制限を決めています。
「無担保融資額との合計が年収の50%以下であること」と言われていますが、ここで言う無担保融資額とはなんでしょうか。
その名の通り、担保をとっていない残債のことを指します。
無担保融資として代表的なのは、消費者金融や銀行系カードローンでのキャッシング残債です。
家具や家電のショッピングローンも「所有権留保」という契約がついていないものは、無担保融資にあてはまります。
年収300万円の人がフリーローンを利用したい…と仮定します。
キャッシング残債が合計20万円・ショッピングローン(所有権留保なし)の支払いがあと30万円残っているとしましょう。
年収の半分である150万円から、キャッシング残債とショッピングローンの残りを差し引くと、100万円になります。
これがフリーローンで審査可決となる上限額となります。
申し込みは銀行窓口で
フリーローンを利用するときは、銀行窓口で直接相談しましょう。
インターネットや郵送でも申し込み可能ですが、窓口よりも融資が2〜3日遅れる可能性があること・商品説明をきちんと受けられないことがデメリットです。
窓口で申し込み相談をする場合、利用目的やキャッシング残債に応じて、フリーローン以外に用意されている最適な貸付サービスを紹介してもらえることもあります。
テレビ窓口のある支店であれば、銀行営業時間外でも対応可能です。
気軽に足を運んでみましょう。
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