債務整理に詳しい現役の弁護士さんに、お話しをうかがってきました。
弁護士さんいわく、消費者金融で失敗しがちな人には、共通点があるということです。
目次
相談にくる方の9割は、失敗が目に見えていた
借金に苦しんでいる方から、借金整理のための相談を受けた場合、「もう少し早く相談にきてくれていれば…」と思うことがよくあります。
ほとんどの方が、早い段階で計画的な返済計画を立てたり生活を見直せば、なんとかなったのではと思うからです。
借金がどうにもならなくなったときは、私たちは債務整理を考え始めます。
具体的には、借金自体を整理したり利息をなくしたりするわけです。
そうなると、返済は楽になりますが、もちろんメリットだけではありません。
次の借金が厳しくなる、自分の財産を整理しなければいけないという、デメリットもあります。
これは経験したことがある人でないと想像がつきにくいかと思いますが、まず、日常生活が不便になりますし、なにより精神面のダメージが大きいんです。
借金を整理するよりも、多少きつくてもちゃんと返済をしながら日常生活を続けていく方が、長い人生においてメリットが大きいと言えるでしょう。
だからこそ、債務整理を考えなければいけなくなる前に、生活を見直し計画的な返済計画を立て直してほしいと思います。
これまで弁護士として債務整理の仕事に数多く携わってきましたが、債務整理をしなければいけない状況になる人には、いくつかの特徴がありました。
もし、現段階でなんらかの項目にあてはまる人がいたら、危険信号ですが、早い段階で、自分が危ない状態にあることを認知して生活を改めれば、弁護士のところに来る前に解決できるかもしれません。
返せなくなる人の7つの特徴
基礎知識がない人
お金を借りる行為自体は簡単ですが、ある程度知識を持っていないと、損をしたり困ったりすることがあります。
例えば、どの消費者金融で借りるのがいいのか、それはどんな理由なのか、返済が遅れた時はどうすればよいか、返済できなくなったときはどんな手続きがあるのか、利息とはなにか…等々知らないといけないことはたくさんあります。
まずは、制度を知ること、そして契約内容をよく確認して、少しでも疑問に思うことがあれば確認する。
借りた後は、早く返すために必要なメリットを知るとともに、返せなくなった時にどんなことがあるのか調べておくといいでしょう。
後から、「そんなこと知らなかった…」といっても、もう遅いです。
「無知は罪」です。
知らなければ損をしますし、困ったときに慌てふためいて適切な行動をとることができず、失敗してしまうことも多いのです。
ギャンブルをする人
ギャンブルをするためにお金を借りる、ギャンブルで返せなくなって消費者金融の扉を叩く、こういった目的でお金を借りる人は、お金の価値を理解するのが難しいです。
ギャンブルは、運が良ければ一回で大金を手に入れることができるため、過去に甘い思いをした人は忘れられず、はまりこんでしまいます。
毎日やりくりしないといけない生活費には価値を感じず、いつか手に入るはずの夢の大金に価値を感じる…。
極端な例ではありますが、一度大きなお金を手にしたことがある人は、毎日働いてお金を稼ぐのが馬鹿らしくなってしまうという人もいまい、仕事に通うようにパチンコ通いをするのです。それも、日々稼ぐお金の価値や安定した収入の価値がわかっていないからです。
ギャンブルも、お金の価値をわかって遊興費の中でやりくりする程度であればよいのですが、ギャンブルのための消費者金融に頼ってしまう人の多くは、生活に影響を与えるほどのお金をギャンブルにつぎ込んでしまっています。
これからの生活を改める強い意志がある場合は、ギャンブルで作った借金を清算するために消費者金融から借りるのもいいでしょう。
でも、本当に改める強い意志があるならば、家族や友達に頭を下げるのが先だと思いますし、これができない人は借金をして失敗する人ですね。
当たり前のことですが、返済期間中にギャンブルには手を出してしまう行動は論外です。
借金をしながら、ギャンブルをしている方は、ただちにやめてください。
必要金額より多く借りてしまう人
消費者金融で借りるお金には、利息がかかります。
しかし、借りるときは月々いくらの返済になるかを基準に考えてしまいがちで、利息がどれくらいかかってくるのか理解していないことがあります。
毎月の返済額は、元金+利息ですが、利息は元金にかかってくるので元金の残金が多く返済期間が長いほど、利息を多く払うことになるのです。
ほんの一瞬楽をしたいために、必要以上に借りてしまう人というのは、利息に関する理解ができていないですし、利息に充てているお金の価値を理解していないんです。
また、多めに借りたお金が手元にあると、気持ちが大きくなってついついお金遣いが荒くなることもありますが、お金はあっという間に手元からなくなります。
お金は必要以上に借りない、これは失敗しないための鉄則です。
返済日やカードの引き落とし日を確認していない
消費者金融への返済は、振込や自動引き落としでしますが、毎月何日が返済日か確認していない人がいます。
ちょっとだらしがないというか、お金の管理ができない人に多い特徴です。
引き落とし日を把握していれば、預金通帳にお金を残しておくことができますが、把握していないばかりに、引き落とし不能になってしまうこともあります。
もし複数借入先があるとしたら、いつ、どこから、いくら引き落とされるかすべて把握する必要があります。
引き落とし日に合わせてお金を用意しておく、これくらいの意識がないようでは、消費者金融の完済は難しいでしょうね。
もし把握できていないとしたら、今すぐカレンダーに丸をつけてみましょう。たったそれだけで、借金への意識が変わります。
消費者金融に返済するために、他の金融会社から借りている人
複数社から借り入れがある人も多いのですが、その中でも要注意なのは「消費者金融に返済するためのお金を、別の消費者金融で借りる」というパターンです。
返済が苦しくなると、利息だけでもどうにかしようと考えようと、利息分を貸してくれるところを探します。
しかし、すでに返済が苦しくなった人に貸す金融会社は少ないので、どんどん利息の高い金融会社に足を踏み入れ、利息のための返済
このループから抜け出すのは相当苦しく、どんどん利息の高い金融会社に足を踏み入れていくことになります。
最悪の場合は、闇金にまで手を出すようになり、生活がどうにもこうにもならなくなてしまいます。
利息すら返済できないと感じた時点で、返済計画が狂ったもしくはできていないという事実を認識しましょう。そして、利息のためにお金を借りるのではなく、生活を見直し計画を立て直したり、それでもどうにもならないのであれば専門家に相談しましょう。
人に相談できない人
借金することに負い目を感じない人は、あまりいないと思いますが、誰にもお金の相談ができない人もちょっと危険です。
このタイプには、見栄っ張りな人や、責任感が強くてなんでも自分で背負い込んでしまう真面目な人もいます。
真面目なのはけっこうですが、力を貸してくれる人がそばにいるのに、一人ですべてを片づけることが良いこととは限りません。
あなたが借金を返せず、自分の人生を破たんさせてしまうことになったら、悲しくてほっとけない身内もいるでしょう。
頼れるときに頼れない人は、どんどん一人で背負い込み、自分の人生を破たんさせてしまうことがあるのです。
お金の問題には、通常の人は関わりたくないと思っています。
しかしそれでも「善意で」手を貸そうとしてくれる人がいるのならば、頼ってみてもいいんですよ。
計画性がなく、コツコツとしたことが苦手な人
返済計画がしっかりできて、その通りにコツコツ返していける人、さらにいえば、毎月の返済額だけでなく繰り上げ返済についても考えて、がんばれる人は、よほどのことがない限り失敗しません。
逆に、最初から計画性のない人は、ほぼ返済に苦しむようになります。
計画とは、返済額と返済期間をいかにするか考えることですが、自分の現状または近い将来の生活と見合った計画でないといけません。
無理をし過ぎてもいけませんし、返せるのにだらだらと長引かせてしまうのもよくありません。
借りただけで、先のことはあまり考えない…こういうタイプは、まず失敗することが多いでしょう。
まとめ
私たちのところに相談にくる多くの方が、7つの特徴のうち複数個に該当しています。
返済で苦しみ弁護士を頼る前に、まずは自分の生活と思考を改めてください。
返せなくなってからでは遅いのです。
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