“審査がゆるい”には裏がある
保証人・担保不要のキャッシング契約を、「信用貸し」と言います。
個人向けのカードローン会社のほぼ全てが、信用貸しを行なっています。
しかし、万が一借主が返済できなくなった場合、金融会社はどうするのでしょうか。
契約者に内緒で立てられる「保証」
貸したお金を確実に回収できる見込みさえつけば、貸す側としては安心できます。
そこで考え出されたのが、「保証会社」です。
ネット上に流れる”審査がゆるく借りやすい”といった情報は、保証会社との契約有無をもとに判断されたものです。
保証会社とは何か
端的に言えば、保証人代行業者です。
口頭では説明されませんが、キャッシング契約書の「代位弁済」の項目に明記されています。
借主側で指定することは出来ず、キャッシング申込先の金融会社が、指定の保証会社を入れて複数者間契約を結びます。
1つのキャッシング契約に対して、保証会社が2社入ることもあります。
保証会社の大きさや数と比例して、審査はゆるくなります。
「専業主婦OK」「アルバイト・パート勤務でも審査できる」と明示されているローン会社は、お金を返してもらえなくなっても保証会社が全額補填してくれるからこそ、簡単に契約を結べるのです。
大手の保証会社としては、以下が挙げられます。
- アコム株式会社(三菱UFJ銀行が資本提携)
- SMBCコンシューマーファイナンス(旧プロミス・三井住友銀行資本提携)
- 新生フィナンシャル株式会社(旧レイク・新生銀行が資本提携)
ここでお気づきかと思いますが、保証会社のほぼ全てに銀行が関わっています。
これが、”審査のゆるい”キャッシング・カードローンの落とし穴の1つになっています
代位弁済と求償権について
代位弁済とは、返すべきお金を保証会社が全額立て替える=保証人としての義務を実行することです。
現実的な厳しい制裁があるのですが、借主に分かりやすく説明されることはありません。
そこで、事前に押さえておくべきポイントを下記に述べます。
- 代位弁済は貸主(ローン会社)の判断で実施される
- 立て替えられた借金は「一括返済」が原則(求償権)
- 保証会社は銀行の権利をもち、借主の預金口座をまるまる押さえられる
1番目のポイントから順に解説します。
キャッシングの契約書には、「ローン会社と借主の間の信頼関係が失われた場合、一括で支払ってもらう(期限の利益喪失・代位弁済)」という記載があります。
信頼関係が失われる条件には様々ありますが、ほとんどの場合が返済遅延です。
具体的には、「最短返済遅延4ヶ月で代位弁済となる」のが、一般的な運用です。
次に2・3番目に挙げたポイントについて述べます。
保証会社には、立替金を一括返済してもらう強い権利が発生します。
前項で述べましたが、銀行が関わっていることも要注意事項です。
保証会社が「立替金を回収できない」と判断した場合、予告なく借主の預金口座を凍結します。
この時、口座に入っているお金はまるまる取り上げられ、立替金の補填に充てられます。
借りる前に一度考える
これまでのことをまとめると、「借りやすいキャッシング・カードローン会社ほど、返済遅延に対する現実的対応が厳しい」ということが言えます。
初めての借入・一時的な10〜30万円程度の少額のキャッシングであれば、”審査のゆるい”会社を選んでも問題ありません。
しかし、すでに数社借りている・当面の生活費のために借りたいというかたは、債務整理や福祉制度の活用を検討しましょう。
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