カードローン商品を比べていると、金利が高い商品は年18%で貸付が行われていますが、低金利商品は年4%台からと差が大きいことに驚きます。
金融商品ごとの特徴が如実に現れることから、カードローン選びはなぜその金利設定となっているのか理由を知った上で判断すると良いでしょう。
金利設定には、必ず理由があることを知れば、自分にとってピッタリ合うカードローンが見つかるはずです。
カードローンには上限金利が定められている
カードローン商品を提供している金融業者は、消費者金融だけでなく銀行や信販会社も含めると数多くの会社があります。
しかし、共通して適用されている利息制限法で定められた上限金利を超えた年利で貸付を行なうことは出来ません。
利息制限法第一条に規定されている上限金利は、元本の金額により段階的に厳しく制限されています。
10万円以上100万円未満の元本に対しては年18%、100万円以上の元本に対しては年15%を上限としているわけです。
法定金利は実際に貸付を行っている元本に対して法定金利が定められていますが、カードローンではいつでも好きな時に追加借入が出来るので、利用限度額が100万円に到達した段階で年15%の法定金利を適用して運用している金融業者が多いです。
消費者金融の金利はなぜ高いのか
消費者金融の金利を各社比較すると、最も貸付数が多い10万円以上100万円未満の利用限度額に対して、法定金利は18%ですが消費者金融の多くは17%台の金利設定を行なっています。
利息制限法で定められた上限金利に限りなく近い設定を行なう理由として、リスク管理を低金利商品ほど高く設定しておらず、ある程度の貸し倒れリスクを承知の上で貸付を行っているからです。
契約者が返済途中で債務整理を行なうと、手続内容次第では残債全てが回収不能に陥る自己破産手続きを取られてしまうリスクがあります。
確実に返済可能な人のみに貸付を行なっていたならば、低金利で貸付を行なっても利益が出ますが、消費者金融を利用する顧客の多くは与信力がさほど高くない人と考えられるでしょう。
一定の回収不能リスクを考慮した結果として、限りなく法定金利の上限に近い金利設定となってしまうわけです。
銀行カードローンの金利が低く設定出来る理由を知ろう
銀行カードローンの金利設定は、多くの銀行で14%台以下の年利が一般的です。
消費者金融よりも遥かに低い金利で貸付を行なっても、銀行が困らない理由として保証会社の存在が大きいでしょう。
銀行カードローンの申込みを行なうと、融資条件として銀行側が指定した保証会社の保証を受けられることが求められます。
保証会社として指定されている業者は、銀行の傘下に入っているか提携関係を結んでいる信販会社や消費者金融であって、事実上の審査は保証会社が行っているわけです。
銀行にとって保証会社の存在は大きく、万が一契約者が返済できない状況に陥り長期延滞が発生すると、銀行は保証会社に対して代位弁済請求を行なうだけで貸付金全額を回収出来る仕組みがあります。
銀行が損をしない仕組みが出来ているからこそ、消費者金融よりも低金利な貸付を行なうことが出来るわけです。
保証会社として参加している信販会社や消費者金融にとっては、総量規制の適用を受けない銀行カードローンの審査では、審査時点での信用履歴から考えられる融資限度額いっぱいまで融資が可能となるので、保証料との兼ね合いでリスク管理を行えば良いだけです。
銀行カードローンは、改正貸金業法により貸付残高が減っている貸金業者を保証会社として参加させることにより、リスク管理さえしっかり行えば収益が挙げられる仕組みを作っています。
銀行・保証会社・契約者の誰にとっても損をしない仕組みが作られているわけです。
同じ利用限度額であっても信用力により金利差が生まれる銀行カードローンもある
消費者金融の利用規約を見ると、多くの場合で利用限度額に合わせて金利が予め定められています。
しかし、一部の銀行カードローンでは、利用規約にも最初から5%~14%といった幅を持たせた金利設定が記載されています。
なぜなら、同じ利用限度額が設定されたとしても、本人の与信力次第で金利設定が異なる運用をしているからです。
例えば、初回設定利用限度額が50万円の人であっても、年14%の金利設定の契約者と年8%の金利設定の契約者が存在することになります。
金利設定を貸し倒れリスクの度合いから厳密に審査を行なった結果として、金利設定に反映させる仕組みです。
資産があり収入も安定していれば低金利融資を行い、貸し倒れリスクが高いと判断される信用履歴の場合には、金利を高めに設定して様子見を行なうわけです。
返済実績をカードローンの返済により積み上げれば、次回与信時に金利設定を下げてもらえる可能性があります。
銀行カードローンは、銀行側が考えている貸付基準により固定金利と審査により金利設定を決める方式とを使い分けています。
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