「返済は月々3000円から」のワナ
キャッシングの新規契約後、10万円借りたとします。
銀行系カードローンに多い金利14%・消費者金融系に多い18%で、完済までの支払い回数と利息総額を計算してみます。
金利14%の場合…43回(3年4ヶ月)利息合計27,351円
金利18%の場合…47回(3年11ヶ月)利息合計39,639円
参考:バンクイック公式サイト・アコム公式サイト
いずれにしても、3年以上支払うことになるのが分かります。
ここで日本貸金業協会の通達を見ると、30万円以下なら3年以内の完済/それ以上なら5年完済で返済プランを組むように各金融会社に求めています。
債務整理の現場を見ても「返済の出費に耐えられるのは3年まで」という基準で、法律家たちは動いています。
現代人の働き方を見ても、同じ職場で3年以上勤続できる人は、年々減少している傾向にあります。
2018年の派遣法の改正により、正規雇用の義務を避けたい派遣元企業が待機を命じる・最初から期間限定の雇用契約を結ぶという例もあります。
これらのことから、月々たったの3000円と言っても、積み重なると大きな負担となること・完済まで返済費用を捻出できる保証はないことが考えられます。
ミニマムペイメントとは何か
金融業界の用語として「ミニマムペイメイント」という言葉があります。
住宅ローンにおいてはよく耳にする言葉ですが、解説していきましょう。
店舗ATMに表示される「最低支払額」との違い
借りている会社の直営ATMに「最低支払額」という表示が出てくることがあります。
これを分かりやすく言い直すと、その月に発生している利息です。
ここに表示される利息だけ支払っておけば、返済遅延事故としてブラックリスト入りすることはありません。
これに対して「ミニマムペイメンント」とは、金融機関の決めた約定返済額だと理解しましょう。
そのなかからまず利息が引かれ、残りの金額が元金(もともと借りた額)の返済に充てられます。
ミニマムペイメントは変動する
ミニマムペイメント(約定返済額)は、残りの元金の額に合わせて変動します。
たとえば消費者金融で50万円キャッシングした場合、元金が40万円になるまでは15,000円・40〜30万円までは13,000円…とのように段階的に減っていきます。
ところが、金融機関の返済シュミレータ・契約書などを見ると「完済まで必ず同じ金額を支払う」という計画が前提になっています。
約定返済額がどんどん減っていくことは、考慮されていません。
毎月返済する金額からは優先的に利息が差し引かれるので、ATMに表示されている約定返済額を信じて返済ペースを落とすと、利息の総支払額は増え・完済期間も長くなってしまいます。
約定返済額は無視して、毎月決まった額を最後まで支払い続けるというのが、よりよい返済方法です。
利息計算から債務整理の判断を
任意整理するか迷っている人は、毎月返済している金額のなかで「利息がどのくらいの割合を占めているか」確認しましょう。
例えば元金50万円で金利18%→約定返済額が13,000の場合、うち半分以上の7,000〜8,000円は利息として消えています。
利息が元金充当額を上回る状態は、数ヶ月続くと危険です。
年単位で長引くと、新たにショッピングローンを組んだりすることも出来ず、生活が苦しくなって自己破産しか選択肢がなくなることがあります。
利息と元金充当額のバランスが崩れているなら、早めに弁護士・司法書士に相談する必要があります。
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